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資金繰り悪化時の運転資金を確保するには?

運転資金とは、商品の仕入れや諸経費の支払いなど、会社を経営していくうえで必要な資金のこと。運転資金は「経常運転資金」「増加運転資金」「減少運転資金」「季節運転資金」「設備未払金決済運転資金」の大きく五種類に分けられます。

ここでは、これらの運転資金が確保できずに資金繰りが悪化してきた際の、運転資金の捻出方法をまとめています。

▼目次▼

資金繰りが悪化した場合の、運転資金の捻出方法

資金繰りの悪化

資金繰りのが悪化する主な原因は、売掛金の回収にはタイムラグがあり、実際に入金されるまでの1〜3ヶ月のズレによって一時的な資金不足に陥ってしまうことにあります。

売掛金の管理見直し

当然ながら売掛金は取引先から受け取る期日が決まっており、その期日に回収できないといったことが起こると、資金繰りを圧迫することになります。

そこで、まずは売掛金の未払いが遅れている取引先がないかをチェック。もし未払いが発覚した際には、金額・遅延期間の洗い出しを行ないます。その上で、取引先の支払いミスであれば電話・メール・FAXなどで確認し、早期の支払いを促します。90日以上経過しているなど自主的な回収が難しい場合は、回収代行業者への依頼も検討すべきです。

また、併せて売掛金の回収期間の見直しも行ない、可能であれば各取引先と交渉してみましょう。一例として、月末締め翌月末入金の場合、最大で60日かかることもありますので、末締め翌月20日入金に変更するだけでも期間を早めることができます。

支払期日を遅らせる

売掛金のタイムラグを少しでも短くするために、仕入れの入金や、給料・光熱費の支払いを遅らせるという方法も考えられます。ただし、取引先や従業員との関係性がありますので、慎重に検討する必要があります。

不要な資産を売却する

土地や建物など、利用していない資産の保有が資金繰りを悪化させているケースもあり得ます。これらの売却によってまとまった資金を調達できることはもちろん、維持費の軽減や自己資本比率・総資本経常利益率の改善といったメリットもあります。
また、会社の事業も一つの価値ある資産であるといえます。近年、M&Aによる資金調達は中小企業でも積極的に行われており、資金調達の方法として有効な手段です。

正常運転資金とは?

資金繰りを正常にするためには、自社の正常運転資金がどれくらいなのかを知らなければなりません。正常運転資金とは、経常運転資金とも呼ばれ、企業が正常な営業活動を行っていく上で恒常的に必要と認められる運転資金のことを言います。

正常運転資金の算出方法

正常運転資金は、「売上債権+棚卸資産-仕入債務=運転資金」という計算式で調べることができます。

売上債権とは、商品を渡したり、サービスの提供が終わるなど仕事が完了しているにもかかわらず、現金として手元に送られてきていないもののこと。具体的には、売掛金や受取手形などがこれにあたり、資金繰り悪化に大きな影響を与える部分となります。

棚卸資産は、売れ残っている商品などの在庫のことで、製造業などであれば、原材料も棚卸資産に該当します。

最後の仕入債務とは、商品や原材料などをすでに仕入れているのに、仕入先に支払いを行っていないもの。つまり、売上債権の逆になるもので、買掛金や支払手形がこれにあたります。

正常運転資金の改善方法

資金繰りを改善する方法として次のような方法が考えられます。

売上金の回収を早める

売上金の回収を急ぐことで、例えばまとまった売上のお金が現金で入ってくれば資金に余裕ができます。無理に事業を絞る必要がないという長所があるのに対し、仕事をもらっている取引先との関係性を考慮しないといけないため、すぐに実行するのが困難だというデメリットがあります。

在庫を早めに減らす

売れ残った商品の在庫は、基本的にそのまま在庫として抱えているとどんどん価値が下がっていってしまいます。しかも持っているだけでは当然、売上にはならないので、資金繰りが悪くなってしまうのは一目瞭然。早めに在庫を減らすようにしましょう。

支払いを遅らせる

売上金の回収を早めるというのと逆の考え方。仕入れ以外にも、従業員に支払う給与や光熱費などの支払いを遅らせるという方法もあります。ただし、取引先の状況によっては難しいかもしれません。

設備資金と運転資金の違い

設備資金に該当する資金とは

設備資金とは、土地や建物、大型製造機器など、会社内で長期間に渡り、生産活動の一環として設備を購入ための資金のことを言います。かいしゃを運営するために、継続的に使う必要があるものだと考えると分かりやすいかもしれません。

運転資金に該当する資金とは

一方、運転資金は、単発的に必要となる設備資金とは違い、企業を経営・運営するために定期的または継続的に必要となる資金のことを言います。商品や材料の仕入れにかかる費用や人件費、広告宣伝費などがこれにあたります。

資金繰りを悪化させない方法

資金繰りが悪化した際の捻出方法は押さえておくべきですが、可能な限り資金繰りを悪化させないことが事業の経営で重要です。

資金繰りの悪化を改善させる方法をご紹介します。

赤字体質を解消する

資金繰りが悪化しているということは赤字の状況が続いており、利益が少ないということです。利益を増やせば赤字は改善されます。

もちろん利益を増やしたいけれどうまくいかないということが多いでしょう。基本的なことではありますが、利益を増やすには大きく分けて2つしかありません。

それぞれの具体的な方法を解説していきます。資金繰りが厳しくなってきたと言っても、現在の事業や営業方法を見直すことで利益が上がり運転資金が確保できる場合もあります。

コストを抑えて資金繰りの悪化を防ぐ

宣伝方法やサービスの改善などで利益を増やすことは可能ですが、一度事業内容の見直しなどもおこなわなければいけません。まずはすぐに対応しやすいコストを抑える方法から解説していきます。

人員削減

人員削減はコストを抑える基本的な改善ですが、ただ従業員を減らしただけでは充分ではありません。他に何もしなければ今までの人数で対応していた事業がまわらなくなってしまい、結果として悪化する可能性があるのです。

少なくなった人員で今までと同様の対応ができるよう改善する必要があります。5人で別々にやっていた作業を見直して全員が同様の作業をできるようになれば3人や4人でもまわることもあるでしょう。人数を減らした上で対応できるよう事業のシステム自体を見直してから、削減することが大切です。

また人員削減と聞くとリストラを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。しかし人員削減はリストラだけではありません。従業員が自己都合で退職した場合、新規店舗や事業を進める際に任せるスタッフが元々いた現場では欠員が発生します。欠員が発生した際に補充をしないでまわせるようにシステムを変える人員削減の戦略のひとつです。

過剰投資を避ける

過剰に設備などに投資をしすぎるのもコストが大きくなる要因です。新製品を製造するための高い機器を導入したけれど思うように売れなかった、不要な設備を導入したなどが過剰投資でよく挙げられます。

新商品やサービスを提供するために高額な設備を導入する際は、本当に売り上げ増加につながるのかを一度よく考えましょう。たとえ売れたとしても設備投資分の費用が回収できないのであれば正しい投資とは言えません。

他にも従業員のために導入する設備などもあります。従業員がいなければ事業は継続できないため大切な投資ですが、非常に優秀な従業員を逃がさないもしくは募集することに本当につながるかどうかを一度考えましょう。

また設備投資をする際には、借り入れしてまで導入すると資金繰りがさらに悪化する可能性もあります。本当に資金繰りが改善されるのかを一度検討してから導入するか決めることが資金繰りを防ぐのに大切です。

役員の利益が適切かを見直す

役員の報酬、株主いる会社であれば配当などもコストのひとつです。本来なら利益率は悪くないのに役員報酬を高くしすぎてしまったばかりに資金繰りが悪くなってしまうのも、中小企業などでありがちな事例です。

人件費や投資と異なりすぐに下げられるものではありませんが、定期的に見直すべき時期が訪れたら前年度の利益状況を把握して適切に変動させましょう。

利益が多いときも内部留保を大切にする

資金繰りが厳しい状況でも月によっては大きな売り上げを記録する場合もありますが、内部留保にまわすことも考えましょう。今月は利益があったから新たに設備投資にまわすと考えるのではなく、今後売り上げ減少が大きくなってしまったときのために用意しておくのが大切です。

特に売り上げ減少というのは予想外に発生する場合があります。新しいサービスを開発して収益の増加を見込んでいたのに自然災害で被害を受けた、窃盗にあって営業できなくなったなど外部的な要因により、営業を余儀なくされる場合もあるのです。

急な売り上げ減少にも対応できるよう、常に万が一のため内部留保を残しておくようにしましょう。内部留保が多い企業は信頼性も高くなり資金繰りの融資も受けやすくなります。

一部業務を外注する

従業員の作業リソースも事業者にとっては大切なコストのひとつです。従業員に向いていない、苦手と感じている作業はないでしょうか。得意分野ではない仕事をさせていると作業効率も悪くなり従業員の定着率の悪化にもつながります。外注できる作業は他社に依頼すれば業務効率の改善につながり、無駄な人員を抱えることなく自社でおこなうべき作業に集中できるのです。

ただし何でも丸投げすれば良いわけではないことに注意しましょう。例えば顧客の問い合わせ対応が多く仕事が進まない日があるからといって、電話やメール対応をすべて投げてしまい、自社への確認が多くなり結果として忙しさが変わらないなどです。

契約前の簡単な問い合わせのみ外注し契約後の深い質問は自社で対応するなど、効率を重視しなければいけません。

利益を上げて資金繰りを改善

見直してもコストを下げられる部分がないのであれば、続いて利益を増やす方法を考えましょう。利益を増やすといっても、必ずしもサービスや売い上げの増加だけが利益を増やすことにつながるとは限りません。

貸し倒れを防止する

貸し倒れが発生しやすい条件として審査能力の低さと、入金までが長期間という点が挙げられます。利用してもらえるからとどんな相手にでもサービスや商品を提供していると、後払いの制度では何れ貸し倒れが発生してしまいます。

取引して実績を積み重ねた場合のみ後払いを可能とする、またはクレジットカードなど第三者の保証がある制度の利用などといった対策をとっておきましょう。提供から入金までの期間もできるだけ短くしておき、遅延があった場合にはしっかりと催促をしてプレッシャーをかけることが大切です。貸し倒れされてしまう事例として「催促されないから大丈夫だろう」という印象を与えてしまっている場合があります。

過剰在庫がないか見直す

商品を販売する事業の場合、売れていない在庫は保管に伴う費用がかかってしまいます。コストの削減にもつながりますが、売れ残っている在庫価格を下げてでも処分しましょう。不要なのに残っていた可能性が高い在庫を利益に変えられます。

在庫をもたない方法に切り替える戦略も利益を上げるのに大きなポイントです。貸し倒れに近い考え方で、仕入れでコストをかけてから販売し利益を得るまでの期間を短くすることで資金繰りも改善されます。

商品の販売では在庫をもたないのが難しいと思うかもしれませんが、エンドユーザーからの受注と同時に仕入先へ発注をおこなう「受発注」の方法があります。不要な在庫を抱える必要がなく、保管コストも下げられます。

顧客の要望を調査する

取引先の相手や顧客に対して要望などを聞き入れることも売り上げ改善する上で重要な情報です。同じような商品ばかりでマンネリを感じていないか、ライバル商品の方が魅力をもっていないかなど、不満から満足している点までしっかりと調査すれば、よりよい商品やサービスの開発につながる情報が見つかります。

プラスアルファの提案をする

いつも購入してくれる顧客や利用してくれる取引先に対して、プラスアルファで他のサービス利用や商品購入してもらえないか声掛けをしてみることも、利益の増加につながります。

いわゆる顧客単価を上げるという作業になりますが、飲食店であればデザートの声かけをする、持ち帰りのサービスを提供するなどの方法です。BtoBの企業であっても製造を依頼してくれた企業に対して、他の商品も製造可能と提案してみるなど、基本的な考え方は同じです。

資金調達・経営のスリム化を実現するM&A

M&Aによる事業譲渡の場合、一般的には利益が出ている事業でなければ買い手はつかないといわれていますが、たとえ現在利益を生み出していなくても、独自の技術を持っていたり将来性のある事業であれば、買い手がつく可能性は十分にあります。
資金繰り悪化を解消する手段の一つとして、運転資金の確保と同時に経営のスリム化を実現する事業譲渡についても、検討する余地があるといえるでしょう。

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