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事業譲渡とは

親族や役員・社員に事業承継することが難しい場合、M&Aによる会社売却を選択するケースが増えています(M&Aの約40%が事業譲渡の手法が用いられています)。

事業を一体として譲渡するメリットとは

オフィスワークのイメージそもそも事業譲渡とは、会社の一部あるいは全部の事業を買い手に買ってもらう取引です。

売り手は、オーナーである経営者です。ここでいう「事業」とは、会社が営業するのための有形無形の財産の一切をさします。「無形の」というのは、たとえば得意先とのつながりやノウハウ等の経済的価値のあるものを指します。

事業を譲り受けた会社は、新たな経営資源を得ることにより、その経営基盤を強化することができるのです。

実際に事業譲渡の契約を行うときは、売り手から買い手へ譲渡する会社が抱える資産・負債、従業員や契約などを、ひとつひとつ選別し、譲渡の対象とすることになります。

「建物」「設備」といった有形のものだけではなく、事業の推進に不可欠な「人材」、あるいは商標権、特許権などの「知的財産」、取引先リストや各種契約書などの無形の財産を含めた一体となったものが事業の価値を決める評価の対象となります。

事業譲渡と簿外債務のリスク

まずメリットとしては、一部の事業のみを譲渡の対象にできるということがあります。

例えば5つのショップ店舗を経営しているアパレル会社が、何らかの事情によりいくつかの店舗のみを手放したいといったケースをさします。

会社全体を売買する株式譲渡では、こうした取引はいくらしたくともできません。そのほか、事業譲渡の大きなメリットとして、バランスシートに記載されていない簿外債務を引き継がなくて済むことです。

特定の事業のみを対象とする譲渡契約ですから、保証債務や未払い賞与など簿外債務の心配は不要です。また、受け継いだ償却負債やのれん代を償却することで、利益を圧縮し、節税ができるという効果もあります。

事業譲渡が抱えるデメリット

事業譲渡のデメリットとしては、手続きの煩雑さがある点です。これは、資産や自債をひとつずつ移転する手続きが必要であることから、そのように言われることが多いのではないでしょうか。

原則として株主総会の特別決議が必要です。とはいえ、上場会社であればいざしらず、オーナー経営者による中小規模の会社では、実施的には大きなデメリットにはなりません。

株主総会といっても、株を所有している奥さんや子ども、あるいは親戚などによる家族会議のようなものだからです。個別にお話をしておけば、法律にもとづき株主総会の議事を残しておけば問題はありません。

また株主総会の召集のほか、従業員や取引先への対応を個別に行わなくてはならない点も事業譲渡のデメリットです。

従業員でいうなら雇用契約、取引先でいうならば売買契約の相手先がすべて新しい会社に変わります。従業員には、慣れ親しんだ会社をいったん退職して、新しい会社に入社し直すという形になります。

かたや株式譲渡では、株主が代わるだけで勤める会社は同じですから、雇用契約などを新たに結ぶ直すことがありません。

取引先についても同様で、事業譲渡では、取引を続けるには、契約の相手を買い手の名義に変更しなくてはならず、新たに契約書を作り直すことになります。こうした手続きも、数千人といった従業員や何百社もの取引先がある大企業には大変かもしれませんが、主要な取引先が10数社規模という中小企業にとっては、それほど大きな負担ではありません。